日本薬局方に初めて注射剤の不溶性異物試験及び不溶性微粒子試験が掲載される前に、製薬会社において3年間専任で注射剤の異物試験方法の確立並びに対策を実施した。その後、海外製造所の注射剤の異物改善なども実施し、製品回収リスクの少ない製品導入に努めた。
・異物の評価方法を確立する>
異物を低減するためには、客観的な異物試験方法の確立と実施が重要である。
評価方法つまり、ものさしが明確でないために正しい結果を出すことができないために、異物低減対策が空回りしてします。先ずは、試験方法の確立が最初のステップである。
・異物混入リスクが高い箇所;凍結乾燥製剤、バイアル瓶(ゴム栓付)、アンプルにもよって異なる。
1)充填液の確認;最初の初流が異物汚染が大きいことから、ラインの洗浄、初流の棄てる量の評価が重要である。
2)容器の洗浄度確認
3)ゴム栓の洗浄度確認
4)繊維の原因
・改善事例
1)繊維低減
2)グラスファイバー混入改善
3)不良率改善(歩留り向上)
4)フレークス改善
5)不溶性微粒子の改善(添加物が原因)
6)不溶性異物の経年での増加(原薬の出発物質の変更)