繊維低減
不溶性異物試験(JP)において、一番簡単に発見しやすいのは繊維異物である。
そのため、不溶性異物による製品回収リスクを減らすためには、繊維異物を減らすことである。
繊維異物は以下の改善を行うと大きく削減できる。

1.充填液の初流を確認する。
多くの人が、フィルターを通しているのに何故異物が入るのかと疑問を持つ人がいる。フィルター自身が繊維異物を発生している。
そのため、水でのリンスの量、それから薬液の最初の流す液量(初流)をどれだけ棄て中ればならないかのバリデーションが重要になる。
この時、正しい結果を得たいなら、評価方法を限りなく客観性を持たせる方法で行わないと行けない。
ある製造所での体験では、評価が適切でなかったため、思い付きで製造の改善を行ってみたがさっぱり効果がわからず、
いつまでたっても改善しなかったケースがある。私が製造所に行き検証したところ、評価方法がまったく意味を持っていなかった。
つまり、1mmの誤差を測定したいのに、1cmの物差しで計測しているようなものであった。
ミズと初流の流す量の兼ね合いが適切になれば、薬液からの繊維異物はかなり削減される。

2.無塵衣のタオルを液が接するライン、部品の清拭には使わない。

無塵衣だから繊維が出ないと思い込んでいる方もいるが、無塵衣は通常の繊維より長く繊維が取れ難いだけのことで繊維異物の原因になる。
無塵衣だから繊維が出ないと思い込んでいる方もいるが、無塵衣は通常の繊維より長く、繊維が取れ難いだけのことで、繊維異物の原因になる。

3.ゴム栓
ゴム栓からの繊維異物は多い。ゴム栓の洗浄はなかなか難しい。ゴム栓に付着していると、シャワーではなかなか落ちない。
洗髪し、たくさんシャワーを身体に流したのに、湯船につかると毛髪が浮いてくる体験をなさった人は多いかと思う。
またガラス容器に有効か超音波洗浄もゴム栓洗浄にはあまり効果がない。
バブルと一緒に下から水を流し、オーバーフローさせる方法が効果的である。
ゴム栓はゴム栓メーカーで洗浄済みのものもあり、かなりの良いレベルになっていり。
ゴム栓洗浄で異物汚染させる場合もあり、どちらにするかはよく評価して判断することになる。
私の経験で、ゴム栓に付着している繊維が多いと、洗浄しても製品に繊維異物が残っていた。
つまり、簿不良率が高いと、洗浄は完全に取り除いているのではなく、何割かの繊維を取り除くだけなので製品に残る。

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