「夜と霧」 ヴィクトール・フランクル著
「夜と霧」 ヴィクトール・フランクル著
フランクル自らナチの収容所に入れられ、
いつガス室に送られるかわからない不安の中、過酷な労働を強いられます。
その極限の中でも生きる目的を見出した人は苦しい生活に耐えようとし、
もうだめだと思った人は健康を害して早くガス室に送られて行くのを目にします。
最初は両親と妻と同じ収容所に入りましたが、父親は間もなく死にました
その後、フランクルは別の収容所に移送されることになりました。
妻はそこに続けて居られたのですが、その収容所では仕事もあり、ある程度いのちの安全が予想できました。
しかし、妻はフランクルとどうしても一緒にいたいとのことで希望を出しました。
結局、母も移送され移送先の収容所で直ぐにガス室に行かされ亡くなりました。
フランクルはその後、また違う収容所に行かされましたが、妻とそこで別れることになりました。
フランクルは母と結婚間もない妻に再開することを目的として生き残ろうとしました。
チフスに罹った時、ロゴセラピーの考え方を必死に仲間が手に入れてくれたメモに書き続けました。
収容所を出て、母と妻は亡くなっていたことを知ります。
母が亡くなっていたこと、妻は収容所の解放少し前にチフスで亡くなっていたことを知りました。
生きる目的を失い、自殺することも頭によぎりました。
仲間が心配して、収容所の体験を執筆することを薦めました。
フランクルはそれに取り組む内に、新しい目的を見出します。
フランクルが考えた”ロゴセラピー”が自分の生きる支えになったことを実感し、
これを多くの人に知って貰うことが、フランクルの目的になりました。
「人生には生きる目的が必要。自分は人が生きる目的を見出す手伝いをする」ことでした。
「夜と霧」の原題は、「一心理学者の強制収容所体験」
この書はナチスの残虐行為を告発するものではなく、
人生には多くの困難や苦悩があっても限りない意味があることを具体的に示したものです。