防虫対策
防虫は食品、医薬品にとって重要な業務です。医薬品での防虫対策のポイントを紹介します。
虫は命をかけています。私たちも虫の命に相当するだけのエネルギーをかけて対処しないと虫は減りません。

・虫を知る
内部繁殖虫;ハエ類、チャタテ、ダニ、ゴキブリ等
外部侵入虫;ユスリカ、ハエ類、ムカデ類、クモ類等
闘う相手を先ずは知ることです。防虫専門業者のHPに詳細が記載されています。
また、依頼すると防虫対策のテキストをいただけます。
虫の名前を頭に入れる、内部発生虫、外部からの侵入虫かどうか、飛来か歩行か。生息に好む場所は。

・虫のモニターをする
品質管理は”3ゲン、5ゲン”と”PDCA"の二つだと言っても過言ではありません。
PDCAのCheck、虫のモニターが必要です。モニターの方法としては、
@トラップを置く
 ・補虫灯   ・補虫シート
A定期的に虫の数と虫の名前を記録する。
 最初は虫は同じように見えますが、何度も見ていると、わかってきます。
Bしかるべき会議体または責任者に報告し、対策を講じる

・防虫の責任者は工場長
物事はどのレベルで講じるかによって投入資源(人とお金)が決まります。
防虫対策はその製造所長の責任と考えて取り組むと効果が高まります。
言葉を変えると、製品から虫の苦情を貰う、工程で虫がよく発見される場合は、
はっきり言って、その製造所長が関心がないか、能力がないだけです。

・虫を入れない
虫はハードの問題と資材の問題があります。
ハードは隙間のコーキングや空気の流れなど。
夜に外から見て、明かりが漏れている箇所があれば必ずそこは虫の混入ルートになっています。
倉庫の搬入口を開けたままの作業は論外です。ハードだけでなく、ソフト面の対応もあります。
資材からの虫の混入は多いです。木製パレット、段ボール、ポリ袋などに虫が一緒に来ます。
資材のチェックは、その資材の製造所の査察での確認と受け容れ時での評価で確認します。

・虫を捕獲する
補虫灯、殺虫灯があります。
補虫灯をインナーに置くか置かないかは議論がわかれます。何故なら虫をインナーに集めるからです。
インナーに設置する場合は、製造のラインから離して、入口などに置くのがよいかと思います。
虫を発見したら必ず作業を中断して、虫を捕獲し、そして逸脱報告を出します。捕獲できなくても報告します。
ラインや机、床に虫の死骸が発見された場合でも報告します。

・製品に虫が混入したものは出さない
製品の全数選別あるいはビデオ選別を行い、虫の確認を行います。
製品に虫が付着していた場合、逸脱報告書を出して、そのロットの対応を検討します。
ボトル、キャップなどはエアー洗浄(エアー噴霧を吸引)を行う。
吸引したものを途中にフィルターをはさみ、定期的に虫があったかどうかを確認する。
フィルターに虫がトラップされた場合、その資材メーカーの資材を疑い査察、受け入れでの評価などを行う。

・その他 ノウハウ
 ・蛍光灯の下には作業台を行い。虫は光に集まり、死んだ場合その下に落ちる。
 ・補虫係数を求め、数値でレベルを確認する。食品業界では1.0以下であれば、製品に虫は入らないと言われている。
 ・補虫係数0.1を目指す。補虫係数が0.1以下になると製造で入ることはほとんどない。
 ・外から中に入る時、衣服に付着していることが時々あるので、入る前にお互いが確認し合う。
 ・清掃を徹底する。
 ・薬剤散布は一時的であり、薬剤散布に頼ることよりも清掃、ハード面、ソフト面、作業者の意識向上を図る。

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