「しばられてみる生き方−軍隊式・超ストレスコンロール術」 下園壮太著 ”ロゴセラピーの視点から”
何でも自由だとストレスがないように思えるが、ある程度”自由が制限“されている方がストレスが低い場合がある。
過度な自由は日本人を不安にする
自由過ぎる環境は、基本的に人を不安にするのだ。特に対人関係を重視する日本人には、その傾向が大きい。
ジョーク
タイタニック号が沈みそうな時、救命ボートに割り込もうとする男性を制する言葉
もし相手がアメリカ人なら、「あなたはヒーローになれます」
もし相手がドイツ人だったら、「これは規則です」
もし相手が日本人だったら、「皆さん、そうなさっています」
日本人は他人を見て安心する。他人が違うことをしれいれば、安心できない。
例えばみんなが同じ服装をしていれば、自分もその服装をすることで、安心できる。
プチ束縛のすすめ
自分で自由を制限する知恵と工夫が必要
いまの生活より、少しだけ窮屈、少しだけ制限が多い方がむしろストレスが少なくなる。
不快感情の苦
痛さ、かゆさ、不安、恐怖、緊張、焦りなどの苦しみ。
エネルギー苦
餓え、渇き、疲労、睡眠不足などの苦しみ
事件後しばらくしてから(当面の危険を回避してから)、その出来事に対して、「何ができなかったか」を
“自分”を中心に考えさせるように、神様がヒトに仕組んだのが「自責感」だ。
軍隊組織で教えている目標のポイントは3つ。
1)意味があること
2)具体的であること
3)達成可能であること
自由で気兼ねのない社会になったのに、なぜか周囲を気にし、人間関係に臆病になっている。
脳がいろいろなことを考えたり、周りを気にしたりして必要以上にエネルギーを費やしている。
AARという手法(アフター・アクション・レビュー)
行動後の反省会を行うことで、ストレスを緩和する。
企図の明示
自分が何をやろうとしているか(企図)を、部下に知らせること、である。
自衛隊の幹部は、統率技術として、まずこのことを徹底的に叩き込まれる。部下はこの先、どうなるのかがわかっていると不安が軽減する。
悪いところの指摘はひとつだけ
たくさんのことを指摘してもパニックになるだけ。先ずは一つを指摘し改善させる。
感想;
著者は自衛隊で長くカウンセリングを実査されて来られました。
医師でも臨床心理士でもない人が、カウンセリングの豊富な実践から会得した知識ややノウハウが紹介されています。
人が自由になったことで、精神面の負担が軽減したというより、返って負担が増えているのかもしれません。
食べることに必死になっていた時は、食べることを目的に生きていたところもあります。
生きる目的を見失っているために、生きることが辛くなっているとも言われています。
ロゴセラピーでは、この生きる意味を考えるセラピーで他のセラピーとは視点が異なっています。
仕事の問題、人間関係の問題、家族の問題などは岩礁と例えることができます。
従来のセラピーはこの岩礁を小さく意識することに視点が置かれていますが、
ロゴセラピーでは潮が満ちれば、岩礁は隠れてしまうと見ます。
岩礁が問題ではなく、潮が満ちていないことが問題と考えます。
この潮はその人が、置かれた環境で生きる意味を見出して生きて行くエネルギーなのだと考えます。