「摂食障害 食べて、吐いて、死にたくて」 遠野なぎこ著 "辛い体験しただけ、人に優しくなれる”
遠野なぎこさんは接触障害をカミングアウトしています。
「一度も愛してくれなかった母へ、一度も愛せなかった男たちへ」の本の中で、
母親からお前は醜いと言われ愛されたとの実感を得ずに成長して来ました。
それを埋め合わせるように男性に温もりを求めて多くの男性と付き合いました。それでも愛を感じることがありませんでした。
今は結婚して離婚した男性と仲良くされているようですが。
「摂食障害」の他に「強迫神経症」も抱えています。
今はそのような苦しかった精神状態を卒業できているそうです。
「なぜ卒業できたのか?恐らく、狂いきったからだろう。
狂えるところまで狂いきって、結局最後に残ったのは、裸の自分だった。
失ったものも大きく、目が覚めたら裸の自分ひとりで、私の周りには誰もいなくなってしまっていたのだ。
だからこそ、生まれ変わったつもりで、またイチからやり直せたのだと思う。
そして本当に少しだけど、『私だって人から愛される価値があるのかもしれない』という気がしているのだ」
読者からの質問に遠野なぎこさんが答えています。
Q;愛する彼に<摂食障害>を隠し続けるべきか?
(A;とてもデリケートな問題。私は打ち明けて来た)
Q;大事な人に<摂食障害>を理解されなかったら?
(A;そういう相手だったと受け入れる。あなたは悪くない)
Q;すべてを受け入れてくれる男性なんていない!
(A;そんな男性はいない。あなたは逆にどこまで彼のことをわかっているの?)
Q;人を信じることができません
(A;自分を認めることで、他人を信じられるかも)
Q;友達に病気のことを打ち明けたら全員が私のもとを去って行ってしまった
(A;私があなたの友達になる!)
Q;愛って何?
(A;今でもよくわからない。「私の命をげてください!」と言える気持ちなのかも)
Q;女優失業の日がくるとしたら・・・?
(A;自分の過去と現在を語ることは正直怖くなかったと言ったら嘘になる。
ただ今を頑張っていくだけ。ドラマもバラエティもお仕事を頂くためには、努力あるのみだ)
Q;自分の外見が大嫌い。
大きな鏡なんて直視できません。虐待されて育ちました。
何のために生かされているのか、生きている意味なんてあるのか・・・将来に絶望する毎日です。
なぎこさんが変わることができたきっかけや心境の変化を聞かせてください。
(A;少しずつ毒を吐き出していくうちに「自分に優しくなりた」と思えるようになってきた。
「このままじゃ、あまりにも自分がかわいそうだ」って初めて思った。
「私はかわいそうじゃない!人生(母)に逆らっちゃいけない!すべて受け入れなきゃいけないんだ」と思って生きてきた。
でも違っていた。「親に虐待された私は、かわいそうだった」
「虐待されていた私が悪いわけじゃない、悪いのは親の方だったんだ」
そう気づくことができてから、失敗してもよいから「自分のために生きよう」と思えるようになった。
「自分を好きになろう!」って決めた。
Q;夜の仕事をしていて、摂食障害と躁鬱を抱えている。
孤独で寂しくて泣き叫んで生きて来ました。苦しくて死にたくて・・・。
でもここまで頑張って生きて来られたのは、私の唯一の支えのワンちゃんがいてくれたからです。
でも先日その支えまで奪われてしまいました。今は生きる意味がわからない。死にたいよ。
(A;辛いね。苦しいね。心の全部が痛くて痛くてしょうがないよね。胸がちぎれてしまいそうだよね。
泣いても泣いても涙が枯れないようね。急に真っ暗闇の中にひとりで立たされちゃったんだよね。
『虹の橋』というお話知ってるかな?私も7年前から悠くん&蓮くんと暮らしている。
唯一の家族。この子たちの健康保険、積立にも入った。この子たちを失うのは本当にイヤだけどいつか必ず“その日”はきてしまう。
その時の自分の精神状態・・・正直私も自信が持てない。抑えて来た自殺願望n再び囚われてしまうかもしれない。
でもね、その日がきたら、まずはこの『虹の橋』のお話を思い出せたらいいなと思う。
最近、ペットロスカウンセラーの資格取得に向けて勉強中なの。私は人の”心“と触れ合うことがとても好き。
人の心はとても複雑で繊細で、まるでガラス細工のよう。
砕け散りそうに脆い心を持っていることを負担に感じ、投げ出してしまいそうになる日もあると思うけど・・・。
心があるから、私たちは人間でいられる。
心があるから、私たちは人と繋がって慰め合い、分かち合い、生きて行ける。手を繋いで一緒に生きていこうね!)
Q;私はとっくに大人と言われる年齢なのに、どうしてもリストカットがやめられません。
(リストカット〜「死にたい」は「生きたい」の裏返し。
「遺された者の気持ち」を考える心の余裕があるのであれば、まず自殺なんて道は選びはしない。
この世でたったひとりの人に「あなたが大切」と言われるだけで、救われることがって、たくさんある。
だから、私から言っていい?「あなたが大切だよ」)
Q;もし、お友達にリストカットしている子がいたら何か言葉をかけて傷つけてしまうのが怖いです。
(A;「大丈夫?」よりも「大好き」。「辛い?」よりも「あなたが大切だよ」。
言葉よりも心が伝わることもある。お友達の側にいてあげてね。優しくッ守っていてあげてね)
Q;今日ね、私・・・飛び降り自殺しようと前から計画してた日だったので。
でもね、今日、偶然なぎこさんのブログと出会って計画を止められた。「生きたい」って思えたの、本当にありがとう。
(A;・・・ごめん、泣いちゃった。涙が止まらないよ。ありがとう!生きていてくれて本当にありがとう。
いつだって私があなたの側にいるからね。信じていてね!一緒に手を繋いで歩いて行こう!)
Q;ブログ楽しみにしています。私は本当にネガティブだから・・・毎日怯えて過ごしています。
こんな私が前向きになれることなんて、この先あるのかな・・・。秘訣を押してほしいです。
(A;”幸せのカケラ”を探すの。まずは『嬉しい』のカケラ探しから始めよう。
小さなカケラが転がっている。いつか胸の引き出しが集めたカケラでいっぱいなって、
あなたの周りで心が迷子になっている人がいたら、少しだけカケラを分けてあげてね。
あなたがの胸が幸せのカケラで満杯になってくれる日が目に浮かんでくるからね)
フランスのノーベル賞受賞作家 アルベール・カミュ作
私の前を歩かないでください。私、ついていけないから。
私の後ろを歩かないでください。私、どうしていいのかわからないから。
私の横にいて下さい。私の友達でいてくれさえすればいいのです。