頑張らない
鬱の方に”頑張って”との言葉は禁句と言われています。鬱でなくても頑張らない生き方があります。
鬱の方を見ていると周りからは怠けているように見受けられる場合があります。
一方、その方は一生懸命で精一杯な状態です。
お風呂にも入れない、お金の計算も出来ない場合もあります。
そんな時、頑張れと言っても、鬱の人はこれ以上何ができるのだと思います。
また、周りから怠けているように思われていることもとても辛いことです。

周りの理解がある、ないで気持ちが大きく変わります。

頑張るの言葉を聞くと、本「がんばらない」鎌田實著(諏訪中央病院名誉委員長)を思い出します。
他に、「あきらめない」、「なげださない」、「へこたれない」があります。
頑張ろうと思ってやることよりも、やりたいこと、やるべきことを、周りからの雑音を気にせずにやり通す。
そのことを鎌田先生は言われています。

鎌田先生の本の一つ、「雪とパイナップル」は絵本にもなっています。
チェルノブイリ原発の影響で甲状腺がんの子供が、もう何も食べ物を口にできなくなりました。
その子供がパイナップルを食べたいと言いました。
日本から来ていた看護師がその子のためにパイナップルを街中探しますがどこのお店にもありません。
その内、日本人がパイナップルを探していることが街中の噂になり、パイナップルの缶詰を持っていた人が提供してくれました。
そのパイナップルをその子供が美味しそうに食べます。その子供は暫くして亡くなりました。
日本人がそこまでしてくれたとその街では感激したそうです。
看護師は頑張ったのではなく、その子供の願いをかなえたいとの思いで一生懸命でした。
その絵本は柳田邦男氏も講演で薦めておられました。

頑張らないといけない思うと、頑張れない。勝たなければと思うと勝てない。
幸せにならなければと思うと幸せが遠のく。
結果だけを考えてしまうと辛いです。それよりも本来の目的達成のために精一杯することなのでしょう。

頑張らずにやる方法は、好きな(やりたい)ことをやること。
さらに、楽しくやることです。
楽しくするためにはどうしたらよいかを考える。
何か工夫すると楽しくなります。
そのことに時間をたくさん費やすと楽しくなると思います。
楽しみながらしたら、それはきっと、すごく頑張ってやったこと以上のことが出来るように思います。

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