ビジネスコミュニケーション −発する言葉の重要性−
コミュニケーションでは、言葉がキーのように思います。言葉に関するお話を幾つか掲載しました。

1)幸福言葉
ある本に”幸福言葉”の言葉がありました。
ある人が幹事になり社員旅行を企画しました。
値段の関係もあり、自分でもまあこんなものかなと思うような社員旅行だったそうです。
ところが社員のある女性が、お料理を美味しいですね。観光地では、とってもすてきな景色で来て良かったと。
そして最後に、幹事さんに、すてきな社員旅行を企画してくださりありがとうございましたと幹事の方に伝えました。
幹事はその女性の言葉を聞いて、社員旅行の準備にかけた労力が報われた思いをしました。
この女性の言葉が”幸福言葉”とありました。周りの人を幸福にする言葉。
ありがとう。嬉しい。楽しい。美味しい。素晴らしい。逞しい。

2)”ありがとう”と”すいません”
あるエッセイに、ある女性がとても感じがよい。
どうして感じがよいのかを考えたら、”すいません”の代わりに”ありがとう”の言葉を使っているのに気がついた。
何かしてあげると、すなおに”ありがとう”の言葉が返ってくると。
だからその女性といるとこちらの気持ちまでもよくなる。
”すいません”は”ありがとう”と”ごめんなさい”の両方の意味があり、便利なのでつい使ってしまいます。

3)一休禅師の贈り物
一休禅師はお金も物も何も持っていません。誰かに何かをあげようと思ってもあげる物がありません。
そこで、一休禅師は、その人に相応しい言葉を贈ったそうです。

4)上杉鷹山の言葉より
上杉鷹山は上杉家中興の祖と言われています。
上杉鷹山に関する本を一冊読まれるのを推奨します。上杉鷹山の本は経営者にもよく読まれています。
ブック・オフに行くと105円で売っています。図書館なら0円。
上杉鷹山に長い間使えた家来が御いとまするにあたり、何か私にお言葉をくださいとお願いしました。
上杉鷹山はその家来に相応しい言葉を与えました。
ところが、その家来はその言葉を知っていたから、もっと違う言葉が欲しいと言いました。
上杉鷹山いわく、言葉は誰の口から発したかが重要であると。
言葉は発した人により重みを持ちます。
時々、借りてきた言葉を言う人がいますが、行動が伴っていない人だと返ってマイナスの評価になります。
マラソンの有森選手が、オリンピックで銅メダルを取った時、”自分を誉めてやりたい”と発言しました。
それは、有森選手がどれだけ頑張って来たのを知っていたので、その言葉に多くの人が感動しました。
人は言葉を選んでいますが、実は言葉に人は選ばれているのです。

5)聖書より
聖書に、”初めに言葉ありき、言葉は神と共にありき、言葉は神であった”(ヨハネ による福音書第一章一節)
”言霊”との言葉があります。言葉はそれほど大きな働きがあります。

6)言葉は優しさにも傷つけることにも
言葉で人を楽しくすることも出来れば、人を悲しく、場合によっては人を追い詰めることもしてしまいます。
コミュニケーションとは、その”言葉”をどう発するか、相手の”言葉”をどう理解するかのように思います。
発する”言葉”には気持ちがないと相手に伝わらないのは言わずもがなですが。
仏教で三毒(怒り、愚痴、嫉妬)は人に発しているつもりが、実はそれが自分を毒していると言います。
自分の発した言葉の毒で自分を傷つけている場合があります。
また、心理学では周りの人をバカとか言っている人は自分に自信がないと見る場合もあります。
三毒を発して、何も自分に得るものはありません。
どうしてもストレスを発散したいならカラオケボックスで歌うか、三毒をだすことでしょうか。

7)メールの難しさ
直接逢って話をしていると、相手の顔が見えるので、自分の言葉に誤解があったり、傷つけている場合はわかります。
一方、メールだと相手がそれを受け取ってどう思われたかがわかりません。
それと同じ言葉でも、出した方と、受け取る方で言葉の解釈が異なっている場合があります。
例えば、関西と関東での”あほ”と”ばか”は逆の受け取り方をしています。
京都での”おぶでもいかがですか?”とは裏言葉で、そろそろ帰って欲しいとの意味があるそうです。
うっかり、ごちそうになると、後でいろいろと言われます。
携帯メールなどでは、それを補うのが絵文字とも言われています。
仕事のメールに絵文字を使うことはありませんから、電話以上にメールの言葉は注意が必要です。

時々、メールでお互いが言い合いをしている場合があります。それをCCで多くの人に送っています。
メールはどこに転送されるかわかりませんから、メールでは丁寧に対応しておくことが大切です。
もし、お互いに行き違いが生じ、相手が怒っている場合は、下記の点を考慮して作成すると良いと思います。
・こちらにミスがあった場合、ミスが無くても相手を怒らしている場合は謝る。
・相手の状況や気持ちを理解していることを伝える。私があなたの立場なら同じようにしているかもなど。
・自分のお願いしたいことを丁寧に伝える。時々、命令口調の人がいるが、お願いのスタンスを忘れない。
・自分のメールを第三者が読んだ時にどう思うかを考えながら書く。
 ”バカと喧嘩するな。何故なら、見ている方はどちらがバカかわからない”との言葉もあります。

・どうしても厳しいメールを書きたい時は、作成した後、1時間以上おいた後にもう一度メールを読み、
 それでも送付したい時には送る。あるいは他の人に見て貰ってから送る。

8)相手を嫌いにならない
相手を嫌いになると、相手も私のことを嫌いになると言います。
また、自分のことを好きな人を嫌いに思う人は少ないです(恋愛は別)。
嫌いに思うのではなく、そういう性格なんだと思うようにしています。
合わない人がいて当然です。合わない人を全て嫌いと思わないようにします。
その人にも家族、友達がいると思いを巡らせ、自分がその人に接する時間はわずかなのだからよけいに丁寧に接します。
嫌いになると、発する言葉にどうしてもとげが含まれます。

信頼関係が崩れると、いくら言葉に注意しても、どうしてもお互いが悪く解釈してしまいがちになります。
その信頼関係を壊すのも言葉です。”口は災いのもと”との先人の言葉があります。
周りに自分のことを悪く思う人を作らないことです。
せっかく仕事をきちんとし、実力もあるのに、発する言葉で損をしている人が多いように思います。

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