本の紹介&感想

「ハーバードの人生を変える授業」タル・ベン・シャハー著 成瀬まゆみ訳 ”感謝して生きる”

話題1)
心理学者のロバート・エドモンズとマイケル・マッカローの研究で、
被験者を二つのグループに分け、一つのグループには、
「ちょっとしたことでもいいので、毎日、感謝できることを5つ書いてもらう」
ことをしました。結果は、思いもかけない効果をもたらしました。
感謝できることを考えたグループは何もしなかったグループに比べて、
人生を肯定的に評価できるようになっただけでなく、
幸福感が高くなり、ポジティブな気分を味わえるようになった。
最終的には、感謝をしていた人々はよく眠れるようになり、より多く運動をするようになり身体的な不調も減った。

話題2)
デューク大学医学部マイケル・バヒャック等は、うつ病と診断された患者の大半にとって、
「週3回、1回30分の運動を行うとこは、抗うつ剤を服用するのと同じ効果がある」
との研究結果を示した。

話題3)
マーティン・セリング教授はポジティブ心理学の講義の中で「感謝の訪問」という課題を学生に与えた。
お世話になった人に感謝の気持ちを表す手紙を書き、その人を訪問して手紙を読み上げるというもの。
この課題の効果はめざましいものがあり、感謝をささげる側、受ける側、そして双方の関係に大いなる恩恵をもたらした。
ある父親が10年ぶりに子供を抱きしめた。何年も仲たがいしていた友情が復活したりと。

話題4)
現在、ハーバード大学教授 エイミー・エドモンドソンが博士過程の大学院生で、
組織行動学の第一人者リチャード・ハックマン教授のもとで研究していたとき、
ハックマンは「効率的なチームワークは、ゴールが明確で優秀な人材のいる環境下に生まれる」
と説いていた。それで効率的な医療チームワークを発揮している医療チームではミスは少ないとの仮説を立ててリサーチを行った。
ハックマンの説く「効率性の条件」を満たす医療チームの中では、ミスが少ないどころか、他のチームより多くのミスが起きていた。
これは何十年に及ぶ研究と矛盾するものだった。結果は、
チームワークのいいチームは「より多くのミスを起こすのではなく、より多くのミスを報告していた」
エドモンドソンはもう一度病院で検証した結果、
「効率性の条件」を満たすチームの方が明らかにミスが少ないということをデータで示した。
条件を満たさないチームは、実際にたくさんのミスを起こしているにも関わらず、その事実を隠すので外部の人間には見えなかった。
そうしたチームが報告するのは、患者の死亡などといった隠しようのないミスに限られていた。
エドモントの研究は「失敗して学ぶか、学ぶこと自体に失敗するか」
という概念を個人の領域から広げて集団や組織に応用したものである。

「心から人の役に立とうとすれば結果として自分自身のためにもなるということは、
 人生における最も美しい報酬のかたちである」
  哲学者・思想家 ラルフ・ウォルドー・エマソン

「ひとつのほめ言葉で2か月は生きられる」
  作家 マーク・トウェイン

「日々をどう過ごすか。それが人生をどう生きるかということだ」
  作家 アニー・ディラード

他にも「人に優しくすると優しい人になる」
「言ったことを実行すると自己信頼感を高めることができる」
なども心と行動の関係が説明されていました。

つまり、具体的にできることの多くの例が紹介されていました。

感想;
”感謝して生きる”ことはとても大切ですが、それを実際に証明されていました。
”心身一如”と言う言葉があります。心と身体は密接に関係しているとの意味です。
日々感謝して生きていると、何か他の人に優しく接することができるのではないでしょうか?
その優しい行動がブーメランのように自分に戻ってくるのだと思います。


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