本の紹介&感想
「薬づけのからの脱却 治す!うつ病、最新治療」 リーダーズノート編集部 ”うつ回復を諦めない”
NHKで最新のうつ病治療を紹介していましたが、それをさらに米国行き、実情を報告した本です。
日本では、うつ病治療は薬とカウンセリング中心ですが、米国では
@ECT(電気けいれん療法)、
ATMS(経頭蓋時期刺激治療)、
B認知行動療法(日本でも行われているが米国の方がさかん)
が新たなうつ病治療方法として成果をあげています。
うつ病の薬をずっと飲んでいても治らななかった患者さんがTMSで効果がでているケースが増えています。効果がない患者さんもいらっしいます。
「ハミルトンうつ病評価尺度」(HAMD17)が用いられ、エフェクトサイズ(効果量)として比較されている。
ECTのエフェクトサイズが0.91、薬物治療が0.49、TMSが0.55、1剤の抗うつ薬処方で効かなかった人に対しては0.83.
NYで最初にTMS治療を始めたモラリス医師によると、寛解(症状が好転もしくはほぼ消失)に至ったのは患者の30%ほどだと。
アラン・マネヴィッツ博士(NHKの番組に出演)の研究では、70%の寛解率と90%の反応率を得たと。
光トポグラフィーの検査で健常者、うつ病、双極性障害、統合失調症の波形が違っているので、日本で発見されにくい双極性障害
(躁の状態が普通の人がかなり多いため、うつ状態だけに目が行き、うつ病と診断されている)の患者さんにも適した治療が間違いなく施せる。
認知行動療法
思考パターンを修正し、行動計画を立てる。
セラピストが50分の話し合いを1回/週行い、10〜20回続ける。
重篤なうつ病や他の病気を持っている人でなければはんぶんくらいの人が治ると言われている。
うつ病の人は、悲観的に考える癖がついてしまっている。
もう一つは、行動療法的な考え方で、うつになると物事を心配したり自分がダメだと思い込んだりする『時間』が増えてしまう、
という点に注目します。そうした時間が増えると、活動が減ってしまい、自分にとっての満足感やうれしい体験が減ってしまいます。
だからうつから抜け出せないと。
うつ病になりやすい人
1)人に頼まれると断れない
2)人に仕事を頼めない
3)問題が生じると自分を責める
感想;
日本は、薬が主体です。カウンセリングもやっていますが、認知行動療法を行っているところは少ないです。
うつに効果があると言われている治療が日本では遅れているような印象を受けました。
何年もうつ病に苦しんでいる人がとても多いです。
米国の治療を見ていると、日本の精神科医はなぜ根拠データで効果があるという治療をやらないのかと思ってしまいました。
光トポグラフィーを測定すれば、双極性そううつ病とうつ病は明確にわかります。
しかし日本では、精神科医が書かれていた本に「隠れ双極性そううつ病が多く、
それがうつ病と判断されうつ病の薬を投与され、なかなかよくならない患者さんが多い」とありました。