本の紹介&感想
「わたしはコンシェルジェけっしてNOとは言えない職業」 阿部佳著 "希望を適えたい気持ちがとても大切"
大学卒業する時にホテルを受けて合格を貰った。しかし、当時はコンシェルジェという仕事がなく、ホテルの採用の人から
「ホテルに入ってもあなたに待っている仕事は限られた仕事で、コンシェルジェをやりたいなら、10年他の仕事の経験を積んだ方がよい」
とアドバイスを貰い、パルコに入社した。
ヨコハマ グランド インターコンチネンタルホテルがオープン時にコンシェルジェを募集していることを知って応募した。
幸い採用されかかったが、仕事を急に辞めることに迷惑をかける気がしてチャンスを逃してしまった。
そうしたら、インターコンチネンタルホテルから電話があり、
「今どうしているか?コンシェルジェに欠員がでたので、良かったら」とのことであった。
それでコンシェルジェの仕事を始めた。ちょうど10年目だった。
次の5つのことを心がけている
1)明るい表情で、お客様の目を見る
2)お客様の名前とお好みを覚える
3)こちらが先に声をかける
4)360度に気を配る
5)役柄を演じる
長期滞在のアメリカ人から、
「二十年ほど前、ぼくの家の近くにとても親切に日本人が住んでいたんだ。
日本に戻ったら横浜に住むと言っていたけど、その人、捜してくれる?」と言って来た。
名前は、鈴木さんとしか覚えていなかった。日本では鈴木の名前が多いことを伝えたら、アメリカ人は噴き出してしまった。
「それだと無理ですね」とあっさりあきらめてしまった。
そこで、とことんまでやってみようと思い、いろいろ尋ねたら、@大型の農機具を開発していたことあ分かった。
そこで、大型農機具を開発している会社に電話をかけ続けた。
20年前にアメリカのこういう地域に鈴木さんと言う人が行っていませんでしたかと尋ねた。
何社か目に、そんな人がいた、偶然まだその人は会社にいることがわかった。二人が懐かしそうに対談しているのを見て喜びを感じた。
いかにその人の希望を適えたいとの気持ちがとても大切で、直ぐに難しいと諦めてしまうと何もできない。
コンシェルジェは、お客様との要望にできるだけ早く適えるために、
普段からのいろいろな人的なネットワークや、いろいろなお店とのパイプを持っていることが重要になる。
お客様が**を食べたいと言われお店を紹介しても、お店が空いているか、その料理を今提供しているかまで確認してからでないと、
紹介してお客様が行かれても、そのお料理を食べられない場合もある。
コンシェルジェの基本に、「自分が体験したところを紹介する」との考えがあるので、
レストランなども自分が実際に食事をして体験しておくことが普段から必要になってくる。
感想;
コンシェルジェになりたいとの夢をずっと持ち続けていたので、コンシェルジェ募集の記事も目に入り、
そしてチャンスを掴み、努力を重ねて来た結果なのでしょう。
その道で輝くとは、その仕事をしたい、その仕事に意味や価値を見出している。
そして努力を積み重ねて行く。それがあってこそ、その道の一流になって行くことがよく伝わってきました。
仕事に魂を込めて仕事をするかどうか。同じ仕事をするにも魂を込めているのといないのとでは、
長い目で見て行くと大きな開きが出来て行くように思いました。