「空が青いから白を選んだのです―奈良少年刑務所詩集―」 寮美千子著
「空が青いから白を選んだのです―奈良少年刑務所詩集―」 寮美千子著
奈良少年刑務所では下記の社会復帰のトレーニングを行っている。
社会性涵養プログラム
・SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)
基本的なコミュニケーションを学ぶ
・絵画
絵を描くことで無心な時間を過ごす
・童話と詩
言葉を中心とした情操教室 寮さんが担当
お母さんへの思いを綴った詩が多かったです。その中より一つ。
クリスマスプレゼント
五十ニ人の仲間のクリスマス
ごちそう食べて ケーキも食べて
ゲームをやって 思いっきり笑って
プレゼントだって もらえるんだ
寝ているあいだに だれかが
こっそり枕元に置いていってくれるんだよ
それが サンタさんなにか 学園の先生なのか
ぼくは しらないけれどね
でも ほんとうにほしいものは
ごめんね これじゃない ちがうんだ
サンタさん お願い
ふとっちょで怒りん坊の
へんちくりんなママでいいから
ぼくにちょうだい
世界のどっかに きっとそんなママが
余っているでしょう
そのママを ぼくにちょうだい
そしたら ぼく うんと大事にするよ
ママがいたら きっと
笑ったあとに さみしくならないですむと思うんだ
ぼくのほんとうのママも
きっと どこかで さびしがってるんだろうな
「しゃかい」ってやつに いじめられて たいへんで
ぼくに会いにくることも できないでいるんだろうな
サンタさん
ぼくは 余った子どもなんだ
どこかに さみしいママがいたら
ぼくがプレゼントになるから 連れていってよ
これからはケンカもしない ウソもつかない
いい子にするからさぁ!
確かに犯罪を犯した人が悪いのは当然ですが、社会が家庭が犯罪を少年達に犯しやすいようにしているのかもしれません。
米国の調査では、凶悪犯罪の半数は親にアルコール中毒含む精神的な疾患があり、半数は親が犯罪を行っている家庭で育ったとありました。
選挙と同じで、この社会は私たち一人ひとりの考えと行動の結果なのだと思います。