「生き心地の良い町 この自殺率の低さには理由がある」 岡檀著
徳島県海部町の人生10万人対自殺者率の30年間平均値(年齢層を標準化)が、
30.4人と、全国3,318市区市町村の中で8番目に自殺率が低い自治体です。
1番目から10番目までは、海部町以外の9自治体全てが島だったそうです。
海部町には自殺が少ない何かがあるのではないかと調査しました。
その結果、次のような特徴がありました。
5つの自殺予防因子
1)いろんな人がいてもよい、いろんな人がいたほうがよい
「海部町では、赤い羽根募金が集まらんのです」
「だいたいが赤い羽根で、どこへ行って何に使われとんじぇ」と問い詰められ、
担当者はたじたじになるが、かといって必要な寄付は行っている。
2)人物本位主義をつらぬく
人を職業上の地位や学歴など表層的なことで判断しない。
3)どうせ自分なんて、と考えない
無力感を抱えない。
「自分のような者に政府を動かす力はない」と思いますかとのアンケートに、
海部町では26.3%に対し、自殺多発地域のA町では51.3%。
4)「病」は市に出せ(周りにオープンにする)
オープンにすることで周りからいろいろアドバイスがある。
5)ゆるやかにつながる
海部町では「ゆるやかな絆」が維持されている。
感想;
人と人の繋がりがあること。ただ、深くなくても幅広く人が繋がっていること。自分の心配を周りにオープンにすること。
自分はダメだと思わず、可能性を持っていると信じることが、自殺予防に効果があるのでしょう。
自分はダメだと思い、何もできないと思うと自分は価値がない存在と思ってしまいがちになると思います。
今の自分をありのまま認め(受け容れ)、そしてきっと何かできることがあると信じて行動することなのでしょう。
そうすれば自分が変わり、周りも変わり、道が拓けてくるのでしょう。