「聞く力 心をひらく35のヒント」 阿川佐和子著
聞く力 心をひらく35のヒント 阿川佐和子著
1000人近いインタビュー、30回以上の見合いの経験からと以下のようなヒントが35紹介されています。
・面白そうに聞く
・自分の話を聞いてほしくない人はいない
・質問の柱は3本
・質問は1つだけ用意する
次の質問は1つ目の質問の回答の中にある。だから真剣に聞く。
・あれ?と思ったことを聞く
・観察を生かす
・自分ならどう思うかを考える
本より
・浜口京子選手とお母さんのやりとり
レスリングの浜口京子選手がアテネ五輪で準決勝のときに電光掲示板にポイントが正しく表示されず、
結局、その五輪では三位決定戦に勝利し、銅メダルを獲得できました。
とりあえず審判に抗議しても取り合ってもらえずに退却しました。
6時間後に三位決定戦までに気持ちの切り替えをしないといけないが、
頭のどこかで気にしながら「なんでこんなことになったんだろう」との思いから抜けきれない。
そこで、浜口選手は家族に電話しました。お母さんが出て、「京子は世界(世界選手権)でゴールド取った女なんだぞ。
堂々と戦いなさい!」と言われた瞬間、「あ、そうだ。こんなところで落ち込んでいる場合じゃない」と目が覚めした。
その一言で、それまでただ呆然とするだけで泣くこともできなかった浜口選手が初めて涙を流し、試合場に戻ったときは。
「あ、また試合ができるんだ!嬉しい!と、笑顔になるぐらい、元気が出てきたんです」
・ゴルフで得た教訓
とうとうその日はハーフだけで75をたたいた(阿川さん)。
先々週95というベストスコアをだした私が何でこんな下手になっちゃったんだ・・・。
一打失敗することにイライラしていた。
一緒に回っていた人が、「アガワさん、引きずり過ぎなんです!」と。
その後、ゴルフをやるときは、今日は引きずらないぞと肝に銘じます。そして、同時に、京子ちゃんの笑顔が浮かんでくるのです。
・トークは生もの
黒柳徹子さんの「百年後の日本に残しておきたいもの」は「千代紙」でした。
「だって色のない(戦争)時代でしょう。華やかで楽しくて、私大好きだったんです」
ふと思いつきました。
「色とりどりの千代紙をためつすがめつしながら、黒柳さんは、大きくなったら何になりたいと思っていらしたのですか?」
すると、ここで黒柳さん、フッと息を一つ吐いてから、
「わたくしね、スパイになりたかったの」
「どうして?」(尋ねると)
「だって、わたくし、外国に行きたかったの。外国を飛び回って活躍する職業なら、国際スパイがいいんじゃないかと思って。
でも誰にも言えなかったの。戦争中ですからね。だたね、一人だけ、小学校で好きだった男の子にだけ告白したの。
『あたし、国際スパイになりたいのって』」
「そうしたら?」
「そうしたらその子、まあ、賢い子でしてね。こう言ったんですよ。『お喋りは、スパイにはなれない』って」
・具体的な話
インタビューをするときにおいて、「具体的な話を引き出さないとダメだな」と最初に教えてくださったのは、遠藤周作さんでした。
阿川佐和子さんはインタビューがとっても苦手だったそうです。
多くを体験してきたことより、多くを教えられ、学んで来られたようです。
もうインタビューの仕事は嫌だと思われた時期もあったそうです。
そんな時、依頼が来ると言うことは失敗しても、それは私を選んだという雑誌社の責任だから気楽に考えようと思われたそうです。
嫌だと思ってインタビューを止められたら、このベストセラーの本はでなかったでしょう。