本の紹介&感想

「グーグル・ディズニーよりも働きたい教室」  松田悠介著

「グーグル・ディズニーよりも働きたい教室」  松田悠介著
TFA(ティーチ・フォー・アメリカ)の日本版TFJ(ティーチ・フォー・ジャパン)
TFAが2010年に米国の大学生(人文学系)の就職ランキングで一位になった。 年間5000人を採用。

「優秀な人材を巻き込んで、すべての子どもたちに、質のいい学習環境を提供する。それが私たちの使命です。」創始者 ウェンディ・コップの言葉。 講師の派遣は2年間、学生たちはTFAでの経験を生かし他の会社に就職していく。他の会社もTFA経験者を優遇採用している。
TFAで教えること
・リーダーシップ  ・コミュニケーション能力  ・問題解決能力
子どもが自分の夢を持ち、それに向けて勉強する意欲が持てるとどんどん自ら勉強していく。 やらされているのは子どもは勉強しない。TFAはその夢を持たせることを大切にしている。

財団法人日本青少年研究所の意識調査で、
「自分はダメな人間だと思う」中学生は、日本56.0%、米国14.2%、中国11.1%。高校生になると、日本65.8%、米国21.6%、中国12.7%。 筑波大学の調査で、自分の将来について、「大きな希望がある」と答えた子どもは、 中国で91%、韓国で46%、日本では29%だった。

日本にTFAを導入しようとすると、大きな壁があった。
1)学校で教えるには教員免許が必要(米国では不要)
2)寄付が集まらない(米国では寄付文化がある)
3)2年間活動後、他の会社への就職が難しい(米国は転職、経験を重視する)
これらを乗り越え、課外授業として始めている。

世帯年収と子どもの学力(出典;「平成19年、20年度全国学力・学習状況調査」)
                         学力テストの平均正当率(%)
年収                       国語       数学
 200万未満                 56.5      62.9 
 400万円以上〜500万円未満      64.7      70.6
 800万円以上〜900万円未満      73.4      78.3
 1,500万円以上              77.3      82.5

       母子家庭に貧困層が多く、親の貧困が子どもの貧困に結びついてます。
貧困をからの脱却は教育がキーになります。貧困のサイクルを社会が止めないと、なかなか貧困からの脱却は難しいと言われています。

戻る