「Ecute物語」 鎌田由美子著
Ecute物語 鎌田由美子著
エキュートはJR東の駅中にあるお店です。
第一号が大宮、第二号が品川、そして、立川、日暮里、上野、東京、赤羽と広がっている。
JR東が駅校内ではお店を導入するにあたり、当時35歳の鎌田さんを抜擢した。
彼女は男女雇用均等法で入社した第一号でした。成功に導くためのいくつものハードル/秘訣があったようです。
1.駅校内は縦割りの管理だったため、エキュートとしてそのお店全体のエリアを管理できるようにした。
2.トイレなどは乗客の男女比で用意されていたが、
それまでの通過型から滞在(足を止める)型にすると女子トイレを大幅に必要になった。
しかし、簡単に増やすことはできず、理解して貰うのが大変だった。
3.トップに了承された後、35歳以下でJR東の子会社も含め応募形式でメンバーを集めた。
そのためにやる気をもった人が集まった。
4.社長が「若い人たちが必至にやらせてくれと言っている。
立川(その後品川に変更)と大宮の二か所は新しい仕組みでやらせてみたらどうだろうか。
失敗したら止めたらいいし、うまくいくようだったら広がりを持たせたらいい。やらせてみようじゃないか」と決断した。
5.彼女の仕事を応援し責任を持ってくれる上司の常務がいて責任はすべて私が取ると言っていた。
6.リーシング(店の選択)で入って欲しい店に交渉して入って貰った。
駅中にわざわざ入る必要はないとの店も粘り強い交渉で入ってくれた。
7.いかりスーパー(当時関西の高級スーパー)を大宮店に導入したが、駅中にスーパーは?との声もあった。
8.お店とメンバーでは何がお客様に喜ばれるかを考え、高級な品は売れないとの予想を覆した。
9.書店では文房具は売れないとの書店の予想であったが、駅中は文房具が売れるとの予想で品揃えしたら文房具が6割にもなった。
10.広い空間のイメージを持たせるためにオープンにした。コンセプト創りにも時間をかけた。
読んでみて思ったことは、若い人の感性とエネルギーを活用すること、それを支援する上がいることがキーのように思いました。
ちなみに、2009年度の売り上げは、大宮(96億円)、品川(72億円)、立川(59億円)、日暮里(15億円)でした。