「絶対音感」 最相葉月著
「絶対音感」 最相葉月著
”絶対音感”という言葉をご存知ですか?
音がドレミで聞こえてくる人もいるとのことです。
つまり、様々な音の絶対音がわかることです。
日本人は海外の人に比べると絶対音感を持っている人が多いそうです。
それは幼児期(比較概念が育つ5歳までに)に音感を聞き取れる教育を受けたり、
そういった環境で育った子どもが絶対音感を得るそうです。
視覚障害者の方に絶対音感の持ち主が比率的にはるかに多いということから、学習で身に付くと思い立ったそうです。
3歳くらいまでは、大きなケーキと小さなケーキがあっても、小さなケーキで満足します。
しかし、比較する知恵が5歳前後で身に付くと小さなケーキでは満足しなくなります。
ですので、5歳になると比較の感覚が身に付くので、それまでに絶対音感の教育を受けないと身に付かないとのことでした。
多くの絶対音感を持った音楽家達は、絶対音感はあれば便利だが、それがあるからといって音楽の芸術性には関係しないと。
大学入試の時には便利であった。
絶対音感の持ち主の多くは、音楽を聞きながら本を読んだり勉強がなかなかできないそうです。
どうしても音が気になって。
絶対音感の持ち主は、音を聞いている時に左脳が活発に働いていると。
本来芸術性は右脳と言われていますが。3歳くらいまでに脳の神経の成長があるからのようです。
固定ド唱法と移動ド唱法をご存知ですか?固定ド唱法は261ヘルツがド。
移動ド唱法はドレミは音名でなく階名といい、何長であっても長調の主音はド短調の主音はラ、
つまり階名は一定の周波数に対応するのでなく音の相対的関係を把握するために名付けられる。
つまり、261ヘルツをドと絶対音感がある人は、263ヘルツをドとすると音感が狂って来るそうです。
一方、移動ド唱法(義務教育)は263ヘルツをドとするとそこからドレミになるわけです。
カラオケでキーコントロールでキーを変えてもその音感で同じようにドレミで歌うのが移動ド唱法、
固定ド唱法だとキーを変えたら違った音感になり歌えなくなるそうです。
ラが基本音で、五嶋みどりさんが苦労して身につけた絶対音感は440ヘルツ、
しかし当時の米国は442ヘルツ。みどりさんが米国に行って先生の前で演奏する前に米国で練習していたら、
気分が悪いとのことで、そこで初めてお母さんがそのたった2ヘルツの違いに気がつき猛特訓した結果、
先生に認められ、ジュリアード学院に入学したそうです。
モーツアルトの時代は422ヘルツがラだったとのことで、時代と共に高くなってきているとのことでした。
絶対音感を持ったピアニストで、1〜2ヘルツの違いが気になり観客を待たせてでも調律させる人もいたそうです。
ただ、1〜2ヘルツは違いがわかる限界とも言われています。
一流の音楽家になるには、本当に驚異的な学ぶ時間が必要なようです。
それも、子どもに物心が付く前からの教育が必須のようです。
それを考えると、どれだけそのことに時間をかけられるか、かけているかが結果のようであり、才能のように思いました。