「失敗に学ぶものづくり」 畑村洋太郎編 講談社

本より;
失敗の法則
・ある分野で起こった失敗は必ず別の分野でも起きている
・失敗は必ず時間とともに忘れ去られ、同じ失敗を繰り返す

だからこそ、失敗知識を共有しよう。そして自分たちの仕事に役立てよう。

失敗の複合原因は
・材料が悪い
・設計が悪い
・検査方法が悪い
・危険情報の伝達が悪い
・保管が悪い
・使い方が悪い

紀元前1800年頃のメソポタミアのハンムラビ法典では、建設業者が建てた家が頑丈でなく壊れて、
家の主が死んだ場合は、建設業者は死刑とする。家主の子どもが死んだ場合は、建設業者の子どもを死刑にする。
事故というのは起こって初めて事故なので、それを事前に防止しても、防止した人が尊敬されない、評価されない。
失敗をしない人は本当に優秀なのか。何かを実行して失敗すると評価がどうしても低くなる。
一方、実行せずに評論のみの人はを人事が高く評価するのは疑問である。
教えるから学ばせるへ。エンジニアは失敗を克服して初めて一人前になる。
ネガティブな人間がポジティブな人間に代わるのは、まさに失敗を克服する中でそうなる。
吉田松蔭の啓育 自ら考えさせ、自分が成し遂げたいと切望するものを発見させた。
また、松蔭は誉め上手だったと。もし、本を読んでこなかったら、「君のような優秀な人が何故読んでこなかったのだと」

感想;
NPO失敗学会があるそうです。お互いの失敗を学ぶことによって、失敗を防ごうと。
私たちにとっては、クレーム・逸脱/異常はある面では失敗の事例です。
これを如何に生かすか、そして他の事業所のケースを自らの問題として生かすか。
そして、大きな失敗を未然に防ぐか。日々の仕事でも常にリスクが存在しています。
それを如何に未然に防ぎ大きな問題としないか。問題になっても小さくなるように。
この仕事は評価がなかなか難しいと本でも紹介しています。
治験薬・売品、即ち製造している製品の品質保証に大きな役割を自分達は担っているのだという自負を持ち、
自分としてできることをやっているという気持を先ずは持つことが一番の幸せではないでしょうか。
その会社のパーフォーマンスは、構成している一人ひとりのアウトプットだと思います。
品質も私達一人ひとりのアウトプットだと思います。まさに「人が創る品質」です。

 

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