生きる目的を問う ロゴセラピー

TV番組「半沢直樹」に、3人の同期が出てきました。
その一人がが同期のトップで課長になり、関西の支店の営業課長を担当しますが、
なかなか関東での営業活動であげたような成果がだせません。
周りの目、それを感じる自分の目で精神的な追い詰められ精神的な病気にもなり、 システムに配属され、そして出向になっていました。
自分はトップで課長になった、成果を挙げないといけない、成果が上がらないと周りが何であいつがトップで課長にと。
確かに周りの目もありますが、それ以上に自分の心が創りだしている感情に押しつぶされるのではないでしょうか。
無理をするので睡眠時間も不足したり、眠れなくなる。食欲も低下すると栄養が充分取れなくなる。
こういうのが続くと症状にも出てきます。それ以上に気持ちが萎えて来ます。
やる気がある時とない時では仕事の捗り方も違ってきます。
時間もやる気がある時は短く感じますが、ない時は長く感じます。

人間を作っているのは、体と心だけではなく、精神があると考えるロゴセラピー。
体と心は病気になることがあります。
ここで言うところの精神は自分がどう生きるかです。つまり、自分の生きる意味を見出しているかどうか。
生きる意味を持っていると、体と心にもよい影響を与えることができるかもしれません。

フロイトが患者さんから、「私の悩みは解決しますか?」との質問に、
フロイトが、「あなたの小さい悩みはなくなりますが、大きな悩みが出てきます」と返答したとありました。
小さな悩みは心の悩みであり、大きな悩みは精神の悩み、つまり何故人は生きるかの悩みを言いました。

対人関係の具体的な方法や、考え方には、
アサーション、対人関係療法、認知行動療法、交流分析、精神分析、アドラー(個人)心理学などいろいろあります。
それは心を治療する方法のように思います。
一方、どう生きるかを問うのは、それらでは対象としていなくて、対象としているのがロゴセラピーだと思います。
またどう生きるかになると、哲学や宗教の領域も関係してくるかもしれません。

またまた半沢直樹に戻ります。彼がこの銀行を選んだ理由は何なのか。
そして彼がこの銀行でやりたいことは何なのか。
彼はこの銀行でやりたい目的を、つまり彼にとっての生きる意味を持っているので、
多くの困難があってもそれにチャレンジしていけるのだと思います。

エリザベス・キューブラ・ロス女史の「死の瞬間」の本に、
末期の患者さんの中に、最後まで生きる意味を見出して全うする人、苦しみの中で死んでいく人が出てきます。
その違いは、この精神の持ち方によるようです。
「あなたの何のために生きていますか?」あるいは
「あなたは誰のために生きていますか?」
何かのため、誰かのためがあると人は生きようと、
それがないと、生きることに対して執着が薄らぐのではないでしょうか?
働くことも、今の仕事をやる目的がないと仕事をやっていても辛いのではないでしょうか。

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