Plant tour 時の査察ポイント
医薬品製造所の査察: リスク観点からのチェック項目

1.倉庫
 ・受け入時に荷姿の損傷確認、名称の確認
 ・サンプリング室の有無、SOPの有無、洗浄の確認
 ・試験前、試験中、適合の表示(全ドラムか)、ステイタスによる保管場所あるいはコンピューターのロック、
   不適合品の保管場所あるいはコンピューターロックとアクセスの確認、適合表示はQC部門が行っているか
 ・防虫管理
 ・温度管理は室温で管理されているか、モニター、温度マッピングデータの確認
 ・1パレットに1品
 ・棚卸はどのように行っているか
 ・先入れ先出しはどのように行っているか
 ・使用期限表示の確認が使用時にもできるか
 ・出荷時の確認は何で行うか

2.QC
 ・OOSのSOP有無、試験者がOOSを理解しているか
 ・試験者の認定制度を導入しているか、どのような方法か
 ・試薬や調整液に使用期限表示をしているか
 ・標準品は一次か二次か、トレーサビリティを付くようにしているか、JP標準品があればどのように管理しているか
 ・ファクターのある試液は購入か調製か、調製時は記録有無、液のロット管理によるトレーサビィティはできるか
 ・機器のキャリブレーション記録、使用ログの有無
 ・カラムの使用ログ有無
 ・試験機器のデータのバリデーション、計算式をプログラムした時のバリデーションと管理
 ・換算仕込み原料の有無、それがあればどの原料か把握しているか、その原料の試験のn数は2以上か
  ・原料受け入れ試験の省略は行っているか、行っているならそのSOPと記録確認
  ・原料受け入れ試験時にCOAとの比較を行うことがSOPにあり、かつ記録があるか
  ・製品の試験において代替試験方法を採用しているか、採用している場合はそのバリデーション確認、
    経年試験は承認方法でおこなっているか、代替試験の場合、経年品でもバリデーションを行っているか、
    代替試験のバリデーション結果、それを承認した書類が製品標準書にファイルされているか
  ・製品の確認試験は全項目行っているか
  ・試験指図記録に使用した機器No、標準品ロットNoが記録されているか
  ・試験結果にトレンド管理を入れているか
  ・タンクローリーでは、タンクローリーの洗浄記録を確認しているか
  ・タンク貯蔵の場合、入れる前、入れた後の確認を行っているか
  ・原料に微生物管理を行っているか
  ・LIMSは導入しているか
  ・試験結果はダブルチェックを行っているか
  ・JP品がある原料はJP品を購入しているか
  ・原料には使用期限を根拠に基づいて設定しているか

3.計量
 ・計量はダブルチェックになっているか
 ・バーコード管理をいれているか、容器毎に行っているか
 ・計量時は容器の残存量も計量して、齟齬がないか確認しているか
 ・表示は蓋ではなく、ドラム本体に表示しているか
 ・計量は一品ごとに行っているか
 ・計量備品の洗浄はどうしているか
 ・高生理活性物質は扱っているか、あれば別の空調系統で行っているか
 ・防虫管理、毛髪管理の確認

4.製造(原薬、製剤)
  1)共通(原薬&製剤)
   ・製造の表示
   ・配管の表示、傾斜(1/100〜1/200の勾配)有無、残存の確認
   ・設備のステイタス表示
    ・使用後の洗浄までの時間、洗浄後の再使用までの期間を設定しているか、そのバリデーションデータ有無
   ・専用設備かどうか、洗浄バリデーション(スワブ法、リンス法)、そのSOP並びに基準
   ・差圧管理(2.5Pa〜5.0Pa) 空気の流れ
   ・高生理活性物質の有無
   ・ラインクリアランス
   ・徐鉄、金属探知機の設置
   ・防虫管理、毛髪管理
   ・製造ラインにフィルターを入れているかどうか
   ・排水溝の管理
   ・作業者が複数製品を同時に扱うかの確認(作業着の着替えなど)
   ・収量管理を入れているか
   ・設備の使用ログ有無
   ・現場にノートを置いているか、ある場合は製造指図記録との関係確認
   ・製造販売承認書記載とSOPの確認
   ・微生物管理を行っているか
   ・製造後は装置、備品に損傷、傷がないか、ネジが取れているか、し過器の破れなど確認ができるようになっているか
   ・サンプリングはQCが実施しているか、QC以外の場合はQCが指示しているか
   ・サンプリング箇所、n数、量は根拠に基づいているか
   ・製造指図記録はダブルチェックを行っているか
   ・洗浄、仕込みに使用するホースの乾燥は中に液が溜まらないようにしているか

  2)原薬
   ・結晶析出時に種結晶を用いているか、用いているならその管理
   ・母液を再度利用するかどうか、利用する場合の管理、どこかの段階で母液廃棄を行っているか
   ・回収溶媒を使用しているか、その場合はSOPと記録
   ・容器からの掻き出しを行っているか、その場合、SOPと掻き出し棒の管理
   ・原薬がオープンになる段階、例えば遠心分離以降の空調管理、作業着の管理は製剤と同等以上
   ・フィルターを設置している場合は、フィルター上の異物を確認しているか
   ・注射剤原料の場合、エンドトキシン管理は行っているか

  3)製剤
   ・均一工程の有無
   ・ロット変更の洗浄    ・前ロットの仕損品の添加を行っているか、仕損品はどこかの段階で廃棄しているか
   ・最後に容器からの掻き出しを行っているか、行っていればその均質性は確認されているか
   ・経時サンプリングによる均質性を確認しているか
   ・粒度別含量を確認しているか
   ・全数選別をいれているか、その方法は
   ・注射剤では、滅菌は一方通行か
   ・注射剤で最終滅菌工程があるものはJPでの滅菌になっているか、なっていない場合、
     バイオバーデンなどどのような管理を行っているか
   ・無菌充填では培地充填(作業者ごと)、人の人数制限はどうか
   ・熱循環水の管理(80℃以上)
   ・目視での外観選別をする作業者の認定を行っているか

5.製造(包装)
・表示については、”リスクの観点の表示”の箇所に記載
・ロールラベルは、前のラベルを残して繋ぎを行っていないかどうか
  ・ラインテスト用のサンプル管理方法、数量管理と表示、製造指図記録に確認した欄があるか
   ・表示資材の全数バーコード管理並びに計数管理を導入しているか

6.環境モニタリング
・微生物モニタリングと微粒子モニタリングのSOPと過去の逸脱記録確認
・フレッシュとリターンの率、排気口近くに吸気口がない
・水の原水、精製の方法、その試験
・水のユースポイントからのサンプリングSOP、全てのユースポイントを確認しているか
・温湿度管理
・燻蒸
・部屋の洗浄方法

7.ドキュメント
・必要な書類の確認
・配布先管理、改定時の差し替え確認
・キャリブレーション機器の一
覧と漏れが無いかの確認方法
・製品標準書の確認 ・製造指図記録の確認
・試験指図記録の確認
・年次調査のSOPとその記録確認

8.その他
・安定性モニタリングは1ロット/年実施しているか
・出荷時に製造指図記録、試験指図記録がダブルチェックされていること、逸脱、OOSが終了していることを確認できているか
・CAPAが確実に実施されているか
・研修が計画され記録が記録されているか
・自己点検が計画され実施され、指摘事項が終了しているか
・逸脱、製品苦情のログがあるか
・ゾーン区分、服装規定、空気の流れ、動線の管理はされているか
・作業に入る前に健康状態、手指の傷がないかどうか、
  作業終了時、手指の傷がないかどうかを、相互に確認し、記録に残しているか
   ・見学者、機器メーカーがインナーに入る時には、そのためのSOPがあり、教育し記録しているか
   ・粘着ローラー、粘着マットを使用している時はそのSOPがあるか
   ・木製のパレットはインナーに入れないようにしているか
   ・インナーパレットの定期的な洗浄はどうしているか
・MSDSを全ての原料で入手しており、作業者の安全管理に生かしているか
・原料/資材メーカーの評価を行っているか
・原料/資材メーカーの査察頻度、アンケート調査頻度など管理方法の確認
・設備メンテナンス、修理後、設定を元に戻すSOPになっているか

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