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祈りの品質へようこそ

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いただいたご質問の中で、一般化して公開させていただいた返答を掲載します。

Q3;原薬製造でのリスク項目について

品質リスクアセスメントを行う際に、FMEAを多く用いています。
その中でいつも自問自答するのが、「どの程度のリスク項目を抽出するべきか」です。
例えば、ISO14971(医療機器のリスクマネジメント)では、ISO12100-1, ISO1200-2に載っている、
顧慮するべき危険源についてのリスクマネジメントを潰していけば概ね問題は解決できると理解しています。
一方で、原薬の製造では、化学反応に関するリスク、作業上のリスク、使用する設備に関するリスクなど、
これらに対するリスクアセスメントが必要である事は分かりますが、
具体的にどの様な小項目をリスクとすべきなのか、上記ISOの様な指針を探しだせてません。
これらのリスクを網羅した指針と出来る様な資料などはありませんか?

具体的にどの様な小項目をリスクとすべきなのか

1.化学反応に関するリスク(化学物質のRA)
  ・原材料のバラツキ ・温度などの条件逸脱 ・MSDS
2.作業上のリスク(作業安全RA)
  ・ミス操作(Slip/Lapse/Mistake/Violation) ・汚染 
  ・配管接続ミス/バルブの開閉ミス/手順パス
3.使用する設備に関するリスク(設備RA)
  ・老朽化/錆 ・部品の消耗/摩損 ・部品の脱落
  ・交換部品の管理 ・メンテナンス後の元への回復 
    ・設計ミス(バリデーション時に発見されなかった)

原薬製造で問題になったこと

1.不純物/類縁物質
  新規不純物/類縁物質が規格を上回る
2.結晶形の変化
  1/10スケールでの製剤の加速試験では問題がなかったが、
  フルスケールで微妙な結晶形の違いが安定性に影響した
3.異物の混入
  ・ガラスライニングが錆で浮いてしまい混入した
  ・ゴムパッキンの中の支え(ポリカーボネイト)が混入した
4.異種原薬の混入(洗浄不備)
  ラインや設備に洗浄されていない場所がある
5.自動化プログラムのミス(休日に稼働)
6.その他(原料などで)
  1)天然物は微生物/色/物性etc
  2)残留溶媒
3)MFとの不一致/製造販売会社に出している情報と不一致

リスクアセスメント項目

1.不純物; 原料の品質、結晶化温度、加熱時間、カラムの性能、蒸留温度、蒸留の真空度、試験方法
2.異物; 原料の品質、作業者の服装、グラスライニングの状況、製造用水、フィルターの漏れ
3.微生物汚染; 精製水の品質、製造環境、作業者の衛生状態、作業者の服装
4.クロスコンタミ; 製造環境、洗浄方法、洗浄バリデーション
5.ラベルの混同; ラベルの管理

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2014/05/10update