お盆に親友君が尋ねてくれた

  引きこもりになっている私には家に来て頂いても居留守を使うことがほとんどです。
それが社会から自分を孤立させてしまいました。
 8月。夏休み中のkuniが玄関を開けると
「嘉朗にそっくりになったな」という男の人の声。
「ままぁ。浜ちゃんが『嘉朗にそっくりになったな』っていうてくれた」と私を呼びにきました。
「えっ、浜ちゃん?直?」と聞き返すと
「嘉朗に逢いに来てくれたんやて。早く早く」
「直が来てくれた」  
それだけで私はもう涙があふれました。
「お花って何を買ってきたらいいんかわからんかったからこんなんでごめん。」
と新聞紙に包まれた色とりどりの菊の花。気持ちがうれしい。
『「なんで、もうおらんのや」って思うと悲しいねん。
ここにずっとおうこんかったんは事実から逃げたかった。まだ東京で闘病生活送ってるって思いたかった。
勉強も将棋も負けたままやねん。もう一回勝負させてほしい。
なあ、嘉朗。もう一回勝負しようや。』お互いに涙が止まらない。
「くやしい・・・」
そういって大粒の涙をこぼしてくれた直。直自身もkuniと同い年の弟がいました。
生まれつきの病気を持って生まれた幸ちゃん。嘉朗と同じ病院にかかっていました。
だから誰よりも私たちのことを心配してくれて応援してくれています。
直は小学校の卒業式で嘉朗の変わりに卒業証書をもらってくれました。
とっても大きくなった直には昔の面影がそのままでただただ背が伸びたなぁとおもいました。
うれしかった・・・ただただうれしくて、小学校での思い出を話し、高校生の今の話を聞かせてくれて。
ありがとう、直。これからもよろしくね。  
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