Ａくん・Ｍちゃんとの出会い

　長期入院の前の年の十一月末、検査入院で上京しました。そのときに同室だったＡくん。まだ４歳なのにとってもとってもしっかりされていて驚きました。まあご両親がとても暖かく優しくて。土曜日の朝に必ず出ていた納豆を「おいしい」と食べているのを見て目を疑いました。大阪では、少なくとも我が家では納豆を手にしたことがありませんでしたから・・・。けらけらと良く笑うＡくん。ＹＯＳＨＩの「ゾイド」のプラモデルを触りたくて触りたくて仕方なかったんです。ある朝、治療が辛くて泣いているＡくんに嘉朗がプラモデルを貸してあげていました。小さい子がとても大好きな嘉朗。私が病院へ行くまでに二人で遊んでいたようです。

　Ｍちゃんとは、「もんじゃたべにおいで」と誘っていただきました。そしてＭちゃんは「よしろうくんとおかあさん、何語しゃべってんの？」ときかれてしまいました。大阪弁、まして河内弁。不思議な言葉に聞こえたのでしょう。でもわたしたちはＭちゃんとおかあさんの下町の言葉のほうが面白かったんです。

寅さんを見ているようなそんな感じでした。　

　お二人には長期入院が決まったときに連絡をとらせていただき、外来にこられるたびに病棟へ寄ってくださってはいろんな話をさせていただきました。嘉朗のお葬式にも遠いところ朝早くから参列してくださり、感謝しています。嘉朗を通しご縁を下さった方たちとはいつまでもつながっていたいなと思っています