「平常心を鍛える」 下園壮太著 ”事前の教育が重要 Just in case”

自衛隊ストレスコントロール教官が明かす「試練を乗り切るための心の準備」
惨事直後の「3つの反応」
1)パニック状態
・とにかく動くことで状況打開
・思考停止
・逃げる/戦うなどのパターン行動を促進する感情(怒り、恐怖、不安、焦り)以外の感情はマヒ
2)茫然自失状態
・動かないことで状況打開
・考えない、情報を入れない(信じられない、なにが起こったかわからない、わかろうともしない、気を失うことも)
・行動を抑制する。絶望系の感情(活動を促進する感情はマヒ)
3)マヒ状態
・選択的な行動で打開
・冷静に考えられる
・感情はマヒ(現実感がない、感じない)

初期の混乱を抜け出す5つの方法
1)呼吸法(大きな呼吸)
2)「やること」に目を向ける
3)助けるべき人を意識する(他力を借りる)
4)環境から安全信号「現状はそれほど危険でない」を与える
5)話す・泣く・抱きしめてもらう

   自衛隊のセカンドショック対策
悲惨な出来事に遭遇したときに生じる精神的な反応「急性ストレス反応ASR(acute stress reaction)」に関する教育を行う。

1)回避
 ・思い出さないよう、話さないようにする 
2)再体験(侵入) フラッシュバック
3)過覚醒 眠れないとか、においや音に敏感になる

一人にならない、社会に出る
1)誰かといっしょにいる
2)社会に出る

対処方法
1)仲間と愚痴る
2)怒りの気持ちを上手に伝える
3)笑い・ユーモア・音楽の活用

罪悪感の緩め方
1)自分の罪を打ち明ける勇気
2)キリスト教とざんげの知恵
3)休むこと、楽しむことの考え方を改める
4)「喪」の儀式の深い意味「忘れているわけではないと思える時間」

感想;
事前に知っておくと、大きなショックなことがあってもその影響を小さくできるように思いました。
ロゴセラピーには、「自己距離化」という方法があります。
自分の状況を離れた自分が客観的に眺めるというものです。
パニックに陥っている。悲しみでいっぱいだとか。自分を眺めて見るのです。
それができると少し冷静になることができます。
例えば何かの発表があり、ドキドキしている。自分はドキドキしているんだ。かなりドキドキしているなとか。
そしてドキドキして当然だと思えるとドキドキも人生の一コマではないでしょうか。


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