「虹の岬の喫茶店」 森沢明夫著 "吉永小百合さんも愛した 岬の喫茶店、映画で脚光"

小さな岬の先端にある喫茶店。そこでは美味しいコーヒーとともに、お客さんの人生に寄り添う音楽を選曲してくれる。
その店に引き寄せられるように集まる。心に傷を抱えた人人・・・彼らの人生は、その店との出逢いを女主人の言葉で、大きく変化し始める。
疲れた心に優しさが染み入り、温かな感動で満たされる。癒しの傑作感涙小説。

感想;
ほのぼのとする人と人との触れ合い。人は悲しみを抱えながら生きて行かないといけないことが多々あります。
そんな時にちょっとした人との触れ合い、言葉がその悲しみを受け止めてくれる場合もあるのでしょう。
人に疲れた時に人との触れ合いの安らぎを感じさせてくれる小説でした。
文中にあったガンジーの言葉「間違って犯す自由が含まれていないのであれば、自由は持つには値しない」が心に浸みこんで来ました。
人は間違いを犯すけれど、大切なことはその後の行動なのでしょう。
それと「夢を持ち続ける。祈り続ける」ことが生きる上では必要なことをあらためて教えてくれるお話でした。
この小説は吉永小百合さんが初めてプロジュースした映画になりました。小説のモデルになった喫茶店が千葉県にあります。

吉永小百合さんも愛した 岬の喫茶店、映画で脚光
斉藤勝寿 2014年9月21日13時53分
http://digital.asahi.com/articles/ASG9J4VT3G9JUDCB00W.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG9J4VT3G9JUDCB00W  モントリオール世界映画祭で入賞した、吉永小百合さん主演の映画「ふしぎな岬の物語」。
モデルとなった喫茶店が、千葉県鋸南(きょなん)町にある。ファンが続々と押し寄せ、今や人気のスポットだ。
喫茶店は、東京湾をのぞむ明鐘(みょうがね)岬にある「音楽と珈琲(コーヒー)の店 岬」。
同県富津市の金谷から鋸南町に向かう国道127号から少しはずれた場所で、わかりにくい。
それでも車やバイクでの来訪が相次ぐ。
船橋市から来たという夫婦は「国道はよく通っていたが、喫茶店があるなんて気づかなかった。素晴らしい景色ですね」。
福島県から5時間かけてやってきた人もいた。

「岬」は36年前に開業。玉木節子さんが1人で切り盛りしてきた。午前10時から夕暮れまで営業する。海の向こうに富士山が見える風景は抜群だ。
地元の鋸山(のこぎりやま)のわき水を使ったコーヒーは、玉木さんが一杯ごとに心を込めていれている。

映画の原作は、雑誌取材で偶然訪れて気に入ったという、作家森沢明夫さんの小説。
これを読んだ吉永さんが映画化を決め、初のプロデュース作品となった。
今年初めに「岬」などで撮影があった。吉永さんは会見で「本当に癒やされるんです。その喫茶店は」などと魅力を語っている。
玉木さんは「小百合さんは『初めて来た気がしない』『ずっといたくなるようなお店ですね』なんて言ってくれたのですよ」と振り返る。
撮影の合間にたびたび訪れ、コーヒーを味わった吉永さん。店の雑記帳に「すてきな出逢い、大切にしましょう」と直筆のメッセージを残した。

映画でも触れられているが、東日本大震災があった2011年、玉木さんも大きな災難に見舞われた。1月に、店が火事で焼失してしまったのだ。
それでも12月にはユニットハウスで再開させた。愛する場所をよみがえらせようと、常連客が立ち上がった。
「お客さんたちが看板を寄贈してくれたり、ウッドデッキを作ってくれたり、続けていく元気をもらいました」
常連客の一人である松原義泰さん(77)は受賞後のにぎわいに「たくさんの人がここでコーヒーを飲んだり、景色を楽しんだり……。
その姿を見ていると、自分のことのようにうれしい」と目を細める。

玉木さんは「受賞が報じられてからさらに忙しくなった。お客さんに外で待ってもらうことなんか、今までなかったので申し訳ない。
小百合さんが愛した店と風景を、自分たちも見てみたいということなのでしょうね。小百合さんのおかげです」と話している。


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