「生きづらい時代の幸福論―9人の偉大な心理学者の教え―」 諸富祥彦著 ”自分に限界を設けない”

―9人の偉大な心理学者の教え―
1)偶然をチャンスに変える生き方 ―クランボルツのハップンスタンス理論
2)「人生の方向感覚」をつかみ、シンクロニシティをいかせーミンデルのプロセス指向心理学
3)「仕事」「友情」「結婚」が幸福の三本柱−アドラー心理学が教えてくれる「人生の基本」
4)「精神的な成長をなしとげた人間」の成長−マズローの「自己表現」論
5)幸福は求めれば求めるほど逃げていくーフランクルの説く「幸福のパラドックス」
6)世界はただ、このままで完璧なのだ!−ケン・ウィルバーのインテグラル心理学
7)私はここ、苦しみはそこ−ジェンドリンのフォーカシングと「脱同一化」の知恵
8)人生のさまざまな問題を他人や過去のせいにせず、自分自身で引き受け、
 「自己成長の機会」とせよ−F・パールズのゲシュタルトセラピー
9)ただ、心を込めて、「傍らいいる」−C・R・ロジャーズのカウンセリングの極意

  ほんとうはハンダ付けができなかったユエル
 クランボルツ博士が講演でよく取り上げるユエルの例を紹介
イスラエルからサンフランシスコに移住してきたユエルという青年がいました。彼には仕事も友人も、お金もありません。
やっとの思いで、ある金物屋で働かせてもらうようになり、配管用の道具を売るようになりました。
ある時、一人の客から「ハンダ付けの仕事はできますか」と、ユエルは聞かれました。
「もちろん、できますよ。なぜですか」tお答えました。
すると、客は「大きなプロジェクトとをやっていて、ハンダ付けができる人を探しているのですが」と言うのです。
ユエルは「私ができます!喜んで伺いましょう」と返事をしました。ところが実はユエルはハンダ付けのやり方を知りませんでした。
しかし、客が店を出た後、すぐ同僚からやり方を習い、翌日には現場で仕事をやり遂げました。
さらには、腕を認められてそのままアシスタントに昇格。そこで配管工事の技術を学びました。
やがて、ユエルはみずから配管工事の会社を起業し、現在では多くの社員を雇い、事業を成功させています。
ユエルはノーでなく、イエスと答えることにより、大きなキャリアの可能性を開きました。

感想;
ワイングラスにワインが半分入っている。もう半分しかないと思うと悲しくなります。
まだ半分あると思うと嬉しくなります。同じ現実も見方によって気持ちは変わります。
靴を売る商人がアフリカに行き、原住民が靴を履いていなかったのを見て、ここでは靴は売れないと思うか、
ここにはすごい市場があると思うかで気持ちも変わりますし、行動も変わりますし、結果も変わります。
著者が生きづらい時代の幸福論として選んだ9人の偉大な心理学の教えを紹介しています。
これらの考え方を知ることで柔軟な考え方を身につけ、幸せを得て行くのではないかと思いました。

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