心/身体を整える(心身を整えるには日常の一つひとつ)

箱根駅伝から学ぶ 生活面からの態度から

箱根駅伝をTVとラジオで楽しみました(2013年)。
日本体育大前年の19位から総合優勝でした。
優勝候補、東洋大、駒沢大(全日本大学駅伝優勝)、実力校の早稲田、青山学院(出雲駅伝優勝)を抑えてでした。
予選会からの総合優勝は2校目ですが、過去の1校目は実力大学が途中棄権でたすきが繋がらなかったために予選会からの参加でした。
日本体育大は19位からですから、昨年に比べると18ランクを上げたことになります。
これだけランクを上げたのは初めてです。箱根駅伝は出場が20校です。練習量は他の学校と差があまりなかったそうです。
選手の素質は、きっと高校時代の駅伝の有名選手は実力大学に多く行っているかと思いますので、
日本体育大には有名選手の確保は難しく、超一流ではなかったと思います。
確か、日本体育大学としては30年ぶりの総合優勝だそうです。

では何が違ったか。監督は西脇工業高校(県立の工業高校です。私は同じ市にある西脇高校)出身です。
今回西脇工業高校の駅伝の元先生(74歳?)をよんで、生活面からの態度を学ぶ事をしたそうです。
練習だけでない日常生活をいかに駅伝に備えるか。
今回、有力大学では選手の体調が悪くてチーム内の有力選手が出られなかったところが多かったようです。
また、出た選手の中にも体調が今ひとつで実力を発揮できなかった選手もかなりいて、チームの結果を引き下げたです。
日本体育大の選手は皆さんが崩れることなく、区間賞を取ったのは5区の選手だけなのに、
各選手がベストで走り上位の結果を残したことが、往路優勝・総合優勝に繋がったようです。

日本体育大の別所監督のコメントに
 「昨年19位に惨敗すると4月に、高校時代の恩師の渡辺公二氏を特別強化委員長として招き、選手の指導を依頼した。
 だが「生活面の指導が行き届いていない」と監督が最も怒られたという。」
 寮の消灯時間を守るよう徹底させるなど生活環境を整えることを重視し、
 選手との対話時間も増やして「心をつなぐ駅伝」を実践すると競技力も安定した。
 「人間は変わろうという気持ちになれるかが大事。最も変わったのは私かな」と苦笑いした。

「心を整える  勝利をたぐり寄せるための56の習慣」長谷部誠著

これをラジオで聞いて、長谷部選手の著書「心を整える」を思い出しました。
長谷部選手は、サッカーをベストの状態で行うための日々の考え方行いを本番の試合のためにどう過ごすかを書かれています。

「心を整える  勝利をたぐり寄せるための56の習慣」長谷部誠著
長谷部選手は大切な試合の前日に眠れなくて、大失敗をしてしまったそうです。
それ以来、いかに大きな試合の前日でも寝られるようにするかを工夫されたそうです。
普段の身体と心を労わる(長谷部選手はそれを心を整える)ことがとても大切だと言うことがよく伝わってきます。
56の習慣を読むと、グランドでの試合の前に、すでにやるべきことをしてきたかどうかが決めてだと思いました。
「自分の心は精密な機械や楽器のような物であり、毎日きちんとメンテナンスする事によって最大限の力を発揮できる。」

長谷部選手はヨーロッパで活躍中です。
チームの前の監督の意向に添わないために、試合にずっと使って貰えなかったそうです。
その間、ずっと一人で練習を積んでいたそうです(TVでドキュメントとして見ました)。
チームが不振で監督が首になり、新しい監督が就任したそうです。
監督はチームメイトに「何故、長谷部は使われていなかったのか?使うべきか?」と質問したそうです。
チームメイトは前監督の考えだ。使うべきだと答えたそうです。
監督は早速、ベンチに長谷部をよび、1試合目から使ったそうです。
長谷部選手は期待に応え活躍しました。
監督に使って貰えないとふてくされて練習をサボっていたら、そのチャンスを生かせなかったと思います。

「運を育てる―肝心なのは負けたあと」 米長邦雄著

この話を聞いて、最近亡くなった将棋の米長邦雄著「運を育てる―肝心なのは負けたあと」を思い出しました。
"運"を呼び込むうえで大切なことは、
「女神が微笑んだとき、それを掴む(知る)力を普段から持つように努力しているか」だと。
米長さんは50歳で将棋の名人位を初めて手にしました。
当時は谷川、羽生など天才若手棋士がひしめく世界で、50歳の高齢棋士が名人位に就くことは奇跡に等しい快挙でした。
米長さんは名人位(将棋界で最高のタイトル)はそれまで獲得できていませんが、
他のタイトルは何度か取るなど、常にA級の棋士(トップ10名)でした。
米長さんは若手の棋士の研究会に参加して、若手から学びました。
自分の子どもの年齢の若手から教わりました。
その結果が名人位のタイトル獲得に繋がりました。
その本の中で、米長さんは「女神が微笑むとき、そのチャンスを待ってどれだけ努力を続けられるか」だと書かれています。

言うは易し行うは難しですが。

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