心のなかの幸福のバケツ 周りに幸せを与えると自分が幸せに

「心のなかの幸福のバケツ」 トム・ラス ドナルド・O・クリフトン著

バケツとひしゃくの理論
バケツの中に水が入っており、周りの人に自分の水をひしゃくであげると、自分のバケツの水が増える。
相手を傷つけたりすると自分の水(幸福)が減ってしまう。

心理学博士でアメリカ陸軍の主任心理学者 ウィリアウ・E・メイヤー大佐が、
朝鮮戦争後に北朝鮮の捕虜になったアメリカ兵1000人を調査した。
記録が残されているかぎり極端の最悪の心理戦、捕虜に壊滅的な打撃を与えた心理戦だった。
捕虜同士の喧嘩がたえず互いに反発しあいときに北朝鮮側につく者すらいた。

メイヤー博士は、この収容所の調査で新しい病気を発見した。絶望のどん底でかかる病気だ。
部屋に引きこもり自暴自棄になって、生き延びる努力をするのは無駄だと思い込む捕虜はめずらしくなかった。
部屋の隅に行き、頭から毛布をかぶってうずくまる。それから二日もしないうちに冷たくなっている。

捕虜たちは、これを「あきらめ病」と呼んでいた。これが原因で死亡率が38%にも達している。
医師たちはこれを「マラズマス」と名付けた。死亡した捕虜の半分がこのマラズマスで亡くなった。

北朝鮮が米軍の捕虜にさせたこと
1.密告させる
2.自己批判させる
3.上官や祖国に対する忠誠心を打ち砕く
4.心の支えになるものをことごとく奪う

グループで討議させ自分がどんな悪いことをしたのか、どんな正しいおこないが出来なかったのかを洗いざらい告白させた。
告白する相手が仲間に対してさせた。

ポジティブになるための5か条
1.バケツの水をくみ出すのをやめる
2.人のよいところを注目する
3.親友をつくる
4.思いがけない贈り物をする
5.相手の身になる

長いトンネルの中にいると、出口が見えないため、いつ出口から出られるか不安が大きいです。
その時、このトンネルは出口が無いんだと思うと、出口に向かって歩くことが難しくなります。
出口はあるんだと信じて歩み続けると遠くに出口の明かりが見えて来ます。明かりが見えると元気がでます。
出口の明かりが見えない時、心の中に出口の明かりを灯すことができるかどうかが人生の岐路のように思えます。

瀬戸内寂聴さんがよく言われる言葉に「亡己利他」があります。己を亡くして、他の人を利するとの意味です。
本当の幸せを追求するなら、周りの人のために尽くす(幸せを提供する)ことだそうです。
まさに、自分のバケツの水(幸せ)を他の人にあげることで、自分のバケツの水(幸せ)も増えて来ます。
仲間を信じ、仲間のためにできることをしていく。それが結局、自分を幸せにする近道のようです。

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