本の紹介&感想

「博物学の巨人アンリ・ファーブル」 奥本 大三郎著 "生命の奥深さ"&"興味を持つ”

ファーブルの伝記や昆虫記を読んだのを思い出しながら読みました。
ファーブルは大学で昆虫学を教えていたのではなく、学校の先生をしながら、自分で興味をもって調べていました。
やはり好きなのがよいのでしょう。

ファーブルも最初は虫を見つけて分類ぐらいのことしかしていませんでした。
ある学者が蜂が虫を捕まえてでも虫を殺さずに仮死状態にしていたとの報告を見て、
調査とはここまでやるのだと知り、あの昆虫記が生まれたようです。
蜂によって、対象とする虫は決まっているとか。
ファーブルはどのように虫を仮死状態にするのか調べようとしますが、
どこで蜂を見つけるかわからない。そこでいろいろと試行錯誤した後、
蜂の巣の近くで見張っていて、既に仮死状態にした虫を蜂が引っ張って巣穴に運ぶ寸前に、
仮死状態の虫を生きている虫に無理やり交換させたそうです。
虫は暴れるので、蜂はまた虫を仮死状態にするために虫のある箇所に蜂が刺しているのを発見します。
ファーブルはその虫を解剖し、何故その場所なのかを調べます。神経が集中しているところでした。

ラングドックアナバチはキリギリスモドキを仮死状態にして卵を産み付けます。
何故仮死状態かというと死ぬとカビが生えてしまうからです。
卵は孵ると、キリギリスモドキのいのちにかかわらない部分から食べていくそうです。

ファーブルは昆虫の生態の実態を知り、こんなことはとても進化では説明つかないと思ったのでしょうか、
進化論を否定する立場だったそうです。
確かに、仮死状態にする物質をどうのようにして作るようになったのか、
虫のどこを刺せばよいかをどのようにして発見したのか、考え出すとふしぎなことばかりです。

感想;
興味を持っていろいろ工夫して行くときっと楽しくなるのでしょう。
物事も準備を十分しているとそれが楽しみになると言います。
それにしても、ラングドックアナバチはどうして覚えているのでしょう?
生まれた時から知っていることになります。


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