本の紹介&感想

「Lean in 女性、仕事、リーダーへの意欲」 シェリル・サンドバーグ著 ”リーン イン(一歩踏み出す)”

フェイスブックののCOO。フォーチュン誌の「世界で最も有力な女性50人」、タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」にも選出されました。
リーン インとは“一歩踏み出す”の意味だそうです。

転職するときに、GoogleのCEOにアドバイスを貰いに行った。過去に仕事で何度か会っていた。
自分の出来ること、強みなどをまとめたシートを見せながら相談した。彼は、私のそのシートを手で隠しながら、
「アホやな。仕事を決める時の基準は一つしかない。それは成長、それも急成長だ。会社が成長していれば仕事はどんどん増える。
一方、成長していないと、人が余って来る。そうすると社内の空気は淀んでくる」

新しい仕事のチャンスがあると、男性は、その仕事を遂行する能力が60%あると思うとチャレンジするが、
女性は100%できると思わないとチャレンジしない。結局は可能性があるとチャレンジした方が自分の成長に繋がっている。

できる女は嫌われる。
自分が成長し可能性を広げるためには、自分自身をもっと信じなければならない
今もなお、今の仕事は自分の能力を超えているのではないかと不安になる状況に立ち向かっている。
私の意見は時に無視され、相手にされないこともあるが、それでもくじけず、手を挙げ続けなければならない。
隅っこに座らないで、テーブルに着かなければならない。

もっと多くの女性がリーダーの座を目指すように働きかけないとならない
もっと多くの男性が職場と家庭の両方で女性を支え、解決に向けたパートナーになるようにしなければならない。

フェイスブックの創業者から言われた言葉、
誰からも好かれようと思うから思い切ったことができない。何かを変えようとする時、全員を満足させることはできない。
全員を満足させようとしたら、たいしたことはできない」。その通りだと思う。

夫の育児参加についてアドバイスを求められた時、私はいつも「彼に任せなさい」と言う。
彼が自分でやろうとする限り、どんなやり方でおしめを替えたって文句を言わないことだ。
こちらが頼まれなくても彼が夜中に起きておしめを替えようとしたら、にっこりほほ笑むこと。
あなたのやり方を強制したら、結局はあなたがやらなければならなくなる。

伝え方
「あなたは私の提案を全然真剣にかんがえていませんね!」
「ここ4本のメールに返事がないので、当惑しています。私の提案はあなたにとってさほど重要でなかったのでしょうか」
前者のような物言いをしたら、相手はすぐにさま身構え「そんなことはない!」と反撃するにちがいない。
だが後者を全否定するのは難しい。前者は反論を誘発するが、後者であれば話し合いを始めることができるだろう。

女性が上を目指す時、立ちはだかる障害の一つがすでに上にいる女性だったということがある。
これは悲しいことだが事実である。互いに助け合う女性が増えれば増えるほど、それは女性全体のためになる。

伝統的な結婚(妻が家庭にいる)をしている男性は、現代的な結婚をしている男性(妻が働いている)に比べると、職場での女性の存在にあまり好意的でない
条件を十分に満たしている女性の昇進を却下する率が高く、女性の多い職場は面倒が多いと考えている。

社会は長い間、無報酬で働く人々の貢献を過小評価してきた。
母は17年にわたり、母親として、また旧ソ連で迫害されているユダヤ人を救う組織の代表として、フルタイム以上の働きをしてきた。
地球の反対側で迫害されている人々の命が助かれば、それで自分の努力は報われるのだと、母は話す。
だが近所の人たちから見れば、母の活動は「重要な仕事」でも「まともな仕事」でもなかった。母は「ただの専業主婦」とみなされていた。

女性よ、大志を抱こう! そう言いたくて、この本を書いた。障害物を乗り越えて道を切り拓き、もてる力を思いきり発揮しよう。
一人ひとりが自分の目標を決め、それに向かって心から楽しんで進めるようになることを願っている。
そしてまた、すべての男性が職場と家庭の両方で女性の支えになり、それを楽しめるようになることを願っている。
男女を問わずすべての人の能力を総動員すれば、職場の生産性は高まり、家庭はより幸せになり、
そこで育った子供たちはもはや狭量なステレオタイプに囚われなくなるにちがいない。

感想;
女性が働くことが当たり前になり、女性の活用が進んでいる米国でさえ、女性が活躍する場合のさまざまな壁が存在していることを知りました。
女性が無理に男性と同じようにするのではなく、女性が女性として、仕事、結婚、出産・子育てしていくために背中を押してくれるような本のように思いました。
そこには、男性に対する期待も込められていました。
女性が結婚、出産しながら仕事をやって行く場合に直面する問題について実体験を書かれています。
仕事場で涙をながしてしまったことなども、告白されており、それを自然な姿として否定も肯定もせずに、
それは精一杯働いているからこその結果であると受け留めています。


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