本の紹介&感想

べてるの家 「技法以前」&「当事者研究」  向谷地生良著

べてるの家 「技法以前」& 「当事者研究」  向谷地生良著
べてるの家をご存知ですか?
統合失調症の方が共同で生活と仕事をしている集まりです。

統合失調症の方が、幻聴、幻覚、爆発(大声を出したくなったり、走りたくなったりなど)を、
自分の場合はどういうときに起きるのか、起きた時にどう対応したらよいかを自分で、
それと仲間と一緒に研究し、対処療法を考え実行している。
上手く行かないとまた研究する。まさにPDCAを繰り返していました。
ふしぎなもので、研究を繰り返して行く内にうまい対処療法が分かってくるようです。

当事者研究と合わせて、SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)を使っているそうです。
簡単に言うと、仕事で対人関係で困っているケースをだし、
そのときどのように受け答えすればよいかを考えをそれをロールプレーで練習し、実際の場面でやってみるものです。
(対人関係療法も似ており、休暇がとりたい、でも上司は渋い顔になる。
どのように上司に休暇を切り出すかをロールプレーで練習してから、本番に臨みます)

ある統合失調症の方は、幻聴など当事者研究のおかげで、なくなったが、
なくなったら何をしてよいかが分からなくなった。今までは幻聴と闘うことが生きることであった。
これからは何をして生きたらよいのだろうと。
この箇所を読んだ時、
精神分析家フロイトが患者さんからの質問「治療を受けたら私の悩みはなくなりますか?」に対して、
「あなたが今悩んでいるつまらない悩みは解消します。しかし、生きるという大きな悩みを抱えます」
と返答したそうです。

べでるの家でも、それまでは病気との闘いに日々を費やしていたのが、
生きるとはどういうことかで悩みだす人がでているとのことです。
それに自分なりの答えが持てるまで、仲間に助けられながら生活されています。
それが上手く行かないと、病気が治っても自殺したい気持が起きるようです。

べてるの家の当事者研究は、私たち自身が活用して良い方法だと思いました。
自分の感情がなかなかコントロールできない時、どうしたらよいか。
追究していくと何か方法が見つかるように思いました。


人間関係に悩む方は、基本は優しい方だと思います。友達に持ちたいと思います。
人間関係に悩む方は、周りの人を傷つけている方は少ないと思います。
悩まない方が傷つけている場合があります。
人間関係に悩む方は、良い子でいたい、悪く思われたくないとの気持が強すぎるように思います。
そんな方は、悪い子でいたも大丈夫なように思います。
それよりは、周りの人の気持ちに配慮しながら、自分のやりたいことをされるのがよいと思います。
人間関係、自分なりに精一杯やって上手く行かなかったらそれでええじゃないかと。
ただ、自分を知ることとコミュニケション技術を身につけていると自分が楽になるように思います。

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